フィッシュランド

安全に遊ぶためには、知っておかなければならないこと、
準備しなければならないものが、いくつかあります。

編集・舵社

船の長さは3m未満=艇体の長さ3.33未満
ミニボートの場合、法律で決められた「船の長さ」とは、一般的に「艇体の長さに0.9を掛けた数値」となっています。ですから、船の長さ3m未満とは、艇体長3.33m未満ということになります。このサイズでも、たくさんの種類のボートが市販されています。

2馬力以下のエンジンって?
正しくは出力1.5kW未満のエンジンとされていますが、1馬力=0.7355kWなので、1.5kWは2.039馬力となります。ガソリン船外機の場合、出力2馬力と表示されている船外機は1.5kW未満に相当します。このガソリン船外機ですが、直ちに停止できる装置が付いていなければなりません。エレクトリックモーター(バッテリー船外機)の場合は、大半が1.5kW未満の出力です。そういったエレクトリックモーターは免許も船舶検査も必要ありませんが、なかにはもっと出力の大きいものもあるので、購入時に表示を確かめましょう。こちらはスイッチの操作によりプロペラの回転が停止するようになっています。

免許なしで乗れるミニ・モーターボートの安全ガイド

昨年、国の定めた船の"安全規則"の改正により、
船の長さが3m未満で、2馬力以下のエンジンまたはエレクトリックモーターが付くボートなら、
免許がなくても乗れるようになり、船舶免許も要らないことになりました。
これは、今までモーターボートに乗ってみようと思った人が、
真っ先に突き当たる壁がなくなったことを意味します。
近い将来、小さなマイボートで水上、湖上に出る人々が急増するでしょう。
いっぽう、海の交通ルールを知らない人がそのまま船に乗れば、
事故やトラブルに見舞われることは確実です。
免許が要らないボートでも、海の上では、
海上衝突予防法をはじめとするいくつかの法律が適用されるほか、
法律では決められていなくても、悲劇を招かないために、やってはいけないことがあります。
こういったことを無視すれば、必ず悲劇が起こります。
みなさん、海に出る前には、次のことは絶対に守るようにしてください。

ライフジャケットなしは自殺行為!

ライフジャケットには、水上で身体を浮かせておくための浮力が確保されています。免許の要らないミニボートでは、ライフジャケットを着用することは、特に法律で決められているわけではありませんが、ボートから落水した時、ライフジャケットを着用していれば、めったに命を落とすようなことはありませんが、着用していないと、死亡する確率は50%以上といわれます。ボートに乗る時は必ずライフジャケットを着用しましょう。

泳いでいる人を傷つけてしまうことも

水中のプロペラは、泳いでいる人には凶器となります。泳いでいる人にはできるだけ近づかないようにしましょう。落水者の救助などで、やむを得ず人に近づく場合は、必ずエンジンストップ、またはニュートラルにしなければなりません。シーズン中の海水浴場で乗るのは、もってのほかです。

携帯電話は必携

海上・湖上で何かトラブルに見舞われたときの通信手段として、少なくとも携帯電話くらいは持っていきましょう。ただ、水や潮風に弱いので、ビニールなどで密閉しておきましょう。
また、なんらかの理由で水上で船外機が動かなくなることも、想定しておかねばなりません。ボートには必ずパドルまたはオールを積んでおきましょう。

風が強い時、波が高い時は、乗らない

毎年、小さなボートでの悲劇的な事故が起きますが、その大半は天候や海・湖の状況を無視して、せっかく来たのだからと、無理して海に出たことが原因となっています。少しでも不安を感じたら、また快適に走ることができない水面だったら、ボートを出してはいけません。また、岸から沖に向かって強い風が吹いている時は、いざ沖から岸に戻ろうとしても、風に阻まれ、前に進めなくなります。こんな時も、ボートを出すのは控えましょう。また、海上や湖上で急に風が強くなったり、風向きが変わり陸から風が吹いていたりすることもよくあることです。このような風向きの変化に気づいたら、早めに帰航するのが常識です。

右小回り、左大回り

港の中では、防波堤などの突端を右舷に見て走るときは、できるだけこれに近寄って走らなくてはいけません。反対に防波堤などの突端を左舷に見て走るときは、できるだけこれから遠ざかって走らなければなりません(右小回り、左大回り)。停泊中の船のそばを走るときも同様です。この基本を守らないと、出合い頭の衝突という事故を招きます。

エレクトリックモーターの酷使は避ける

エレクトリックモーター(バッテリー船外機)は本来、静かに小移動するための補助動力として設計されていますので、全開状態で長時間連続して使用すると、モーターや配線への負担が大きくなり、モーターが焼き付いたり、故障してしまうこともあるので注意しましょう。
また、バッテリーや延長コードへの接続点がしっかり締め付けられていないと、コードが煙が上がるほど焼けてしまうこともよくあるので、各接続点のチェックは念入りに。

真正面から船が来た!あなたはどうする?

真正面、またはほとんど真正面から来る船と行き会う場合、相手の左舷側を通過するように、自分のボートの針路を右に変えなければなりません。また、港の中、および周辺に航路が定められている所では、基本は右側通行であることも覚えておいてください。

斜め前方の船とぶつかりそう。あなたはどうする?

2隻の船がお互いの針路を横切る状態で、そのまま進むと衝突の可能性がある場合、相手を右舷側に見る船が、図のように(赤い矢印)相手の針路を避けなければなりません。

できれば旗を立てよう

こちらから見えていても、他の船からは、こちらの小さなボートが見えていないということはよくあります。ぶつけられないように、ボートに旗を付けたポールを立てておくことをお勧めします。

夜はボートに乗らない!

一般の船は、法で定められた夜間航行用の船灯を点けています。それによって暗い海でも、船の大きさや進行方向、どんな作業をしているかわかるようになっています。逆にそれがないあなたのボートは、他の船からはまったく見えません。したがって夜にミニボートに乗るのは、危険なのでやめましょう。

陸の常識は海でも常識

飲酒運転は絶対にしてはいけません。誰でもわかる常識です。また、改造したエンジンや船体の安全は保証されません。勝手に手を加えるのはやめましょう。
これも常識ですが、燃料給油中はもちろん、燃料タンクのそばでタバコを吸ってはいけません。
最後に、法律では16歳以上からボート免許がとれますが、子供、大人にかかわらず、このパンフレットの内容も知らない人には、ボートを操船させてはいけません。

海だけの常識

車では通常、ガソリンのみを給油しますが、2ストローク船外機ではガソリンと一緒にオイルも給油する必要があります。取扱説明書を確認し、オイル混合が必要なモデルには決められた割合のオイルを混合しましょう。



マナー

車は必ず駐車場へ

ミニボートはカートップで海まで運ぶことが多くなります。駐車場からボートを下ろせる所は問題ありませんが、一旦、車を浜や漁港スロープなどに乗り入れてボートを下ろす場合は、車を必ず駐車場に入れてからボートに乗りましょう。不法駐車が問題になると、地元からボートの持ち込みを禁止されるので、十分注意しましょう。

ゴミは持って帰る

自分たちが持ち込んだゴミは、必ず持ち帰る習慣をつけましょう。トイレの前にゴミ箱があったとしても、そのゴミの始末は地元のボランティアがやっているか、ゴミが溜まってくると地元がお金を出して業者を呼んで始末するか、どちらかです。田舎のゴミ収集・廃棄システムは、都会のそれとはまったく違うことを知っておいてください。